徳島県で今起きていることを見てきました 美馬市・にし阿波編

徳島県といえば神山町・上勝町など、既に全国規模で知られるサテライトオフィスの誘致や地場の産業育成で成功している自治体が多数ある県ですが、今回は営業部女子課さんという全国の営業をやられている女性同士でつながって盛り上げていこうという団体の徳島支局の皆様とお仕事でご一緒させていただいたご縁で、これから盛り上がるであろう美馬市というエリアを見学させていただきました。

見学させていただく際に、美馬市役所 地方創生推進総局 石田貴志さん、まさに今サテライトオフィスをつくってらっしゃる株式会社G&Cコンサルティングの片岡久議さん、そして営業部女子課の初代徳島支局長で徳島県内の女性の起業の支援をされてらっしゃる笠井誉子さんにとても詳しくご説明いただき、本当にお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

-うだつがあがる町って?-

最初に向かったのが美馬市脇町にある「うだつの町並み」というエリア。独特な形の「うだつ」がある家が多いことから、この名前がついているようです。

重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、水戸黄門の撮影にも使われるというだけあって、すごく古い歴史のある家々が残っています。元々藍の生産で財を成した商家が多いことから、家のつくりがどれも立派です。なんと現存する一番古い家は1707年にできた家!今から300年以上前ですね。すごくキレイに保存されていました。

この写真の真ん中にある二階部分にある白く縦に長い部分が「うだつ」です。

「うだつ」とは、下の説明にある通り、建物の二階部分にある防火用の袖壁というもので、ただ実用的な意味だけでなく、商人が自分の成功ぶりを示すために競い合って立派なのをつくった、ということから「うだつがあがる」「うだつがあがらない」という言葉が生まれたそうです。

確かに町をよく見ながら歩いていると、短いうだつもあれば長いうだつも、そしてさらには二段のうだつなどいろいろなうだつがありました。

「うだつがあがる」の語源にもなるくらいなので、ここでビジネスを始めればうだつがあがるはず!ということで、サテライト・コワーキングスペースをいままさにつくってらっしゃいました。

外観はまさに古く歴史ある建物という趣き。森さんという方のお宅だったので、現状では「森邸サテライトオフィス」という名称とのことです。

中身は元の建物を活かしつつ、みんなで作業や打ち合わせがしやすいようにしています。かっこいい。古民家を改装してサテライトオフィスに、という手法自体はだいぶメジャーになってきた感じがしますが、実際やってみてここまで格式と歴史が高い物件を、きちんと使いやすいようにするというのはかなり難易度が高いですよね。商家の家らしく入り口からすぐにあがれるスペースがあり、かつあまり高さがないのも広々した感じがあって素敵です。

コワーキングスペース。

奥には会議室も。

中から外を見ると、町のメイン通りに面しています。ここで仕事していれば、すぐに町の空気に触れることができるので、単純なひと気のない里山という感じとはまた違うテイストでのサテライト・リモートワークの拠点になるなと思いました。

-地域に息づくお接待カルチャー-

町を歩いているとこんな光景も。町の人との距離が近い気がします。ちなみに完熟すだちって初めて食べましたが、そこまで酸っぱくなくて美味しかったです。これで100円とは驚き。

通りにある商店で田楽を焼いていらっしゃったおばあちゃんがとってもチャーミングで、思わず長居してしまう素敵なお店でした。元々このあたりのエリアはお遍路さんをお接待する文化が浸透しているということで、皆さん本当に優しく、外から来た人をオープンに迎え入れてくれる雰囲気がありました。なぜか田楽を買うとおしるこがタダでついてくるというお接待カルチャー。素敵です。

もちろん、古くからあるローカルなフレーバーのお店だけでなく、都会で働いてらっしゃった若い方が始められたお店もありました。こちらも雰囲気ありますね。

町内には古くからある劇場があり、ちょうど節分の豆まきをやっていました。すごく地元に根づいている感じで、時間があれば中も見てみたかったです。山田洋次監督の映画「虹をつかむ男」の舞台になったとのことで、すごく良い雰囲気でした。ここでスモールビジネスの開業セミナーのようなイベントもやっているとのこと。

-日本一の清流 穴吹川を楽しめるサテライトオフィス体験施設-

その後、うだつの町並みを離れ、美馬市として展開されている美馬市サテライトオフィス体験施設「創 SO」を見学。写真で撮れなかったのが残念なのですが、素晴らしく美しい穴吹川という川沿いをのぼっていったところにありました。なんと水質調査で日本一の清流とのことで、夏なんかは川遊びが楽しそうです。

オフィスエリアの奥に居住エリアがあり、プライバシーが保たれる個室に加えて、みんなで団欒できる部屋もありました。宿泊と合わせて1日1500円という格安で使用できます。

窓を開けて目の前がこの里山感!見学させていただいた際に「このへんアオダイショウとか大丈夫ですかね?」といった会話があって、その会話自体もなんだかこのエリアの特色が出ていていいな〜と思ってしまいました。(実際出たら大変かも知れませんが・笑)

そして、徳島ならではの、高速インターネット回線。「徳島は高速回線が早くからひかれていたのでサテライトオフィスの進出が進んだ」という話はよく聞きますが、そもそもの高速回線の導入を強力にドライブしたのが「地デジの難視聴地域になってしまう=地域のお年寄りにとって生活のインフラであるテレビが見られなくなってしまうことをどう防ぐか」という点だったというお話がすごく納得できました。もっと詳しい話はここにまとまっています。

この機械が美馬市の家にはあるそうで、これのおかげでどこからでもストレスなくネットにつないで仕事ができます。当初の目的は公的な地元住民向けサービスとしての投資だったものが、外から働きに来る人を呼び込むためのものとして花開いている、というのはすごく面白い成功例なのではないかと思います。

なお、美馬市との取り組み、そして「創 SO」については、こちらの記事で詳しく紹介されています。

うだつがあがる町、徳島県美馬市のサテライトオフィス体験施設『創〜so〜』の魅力(前編)

うだつがあがる町、徳島県美馬市のサテライトオフィス体験施設『創〜so〜』の魅力(後編)

豊かな食からスモールビジネス支援まで。徳島県美馬市の「これから」を創る新たな取り組み

-みんなの中に流れるDYIカルチャー-

見学を終えた後、美馬市を含む徳島県西部エリア(=にし阿波)でお母さんと子ども向けのカフェを始められた方のお店にお伺いしました。にし阿波では「あわこい」という住民の皆さん同士で色々な体験を提供しあうプログラムをやられていて、お伺いした日もこどもたち向けのパンづくり教室が開かれていました。このお店はオーナーの方がご自分のおばあちゃんが住んでらっしゃった家を改装してカフェにしたそうです。

今回、徳島を回って感じのは、他の地域に比べて、皆さんの中に「自分たちのことは自分たちでやる」という意識が根付いているということでした。地方創生的な話って「いかに外から持ってくるか」あるいは「自分たちが持っているものをいかに外に売り出すか」という観点が多いですが、「自分たちで自分たちの生活を豊かにする」というエリア内での循環が回ることもすごく大事だなと思いました。

このお店のお料理も、基本的には地元の素材を使い(めちゃ美味しかったです)、さらに木のプレートは近くの木の生産者さんに1点ずつつくってもらっているそうで、そういう手触り(木の素材感という意味だけでなく、人の存在やつながりが感じられる)がとても素敵でした。

美馬市、にし阿波エリアのこれからに注目です。

次記事は、神山町を回って見つけた3つの魅力について。次記事を読む

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